第151章

「ダメ!」

大島莉理はほとんど反射で声を上げた。

母は娘をちらりと見てから、少し離れたところに立つ若い男へ視線を移す。

「この子、すごくいいじゃない。顔もいいし、雰囲気もあるし……立ってるだけで芸能人みたい」

――うちの娘に釣り合う。

田中辰哉に見られたくない。まして、こんな会話を聞かせたくない。莉理はぱっと手で顔を覆い、母にだけ聞こえる声量まで落として囁いた。

「そんなに急いで私を嫁に出さないでよ。私がもう少し二人のそばにいたっていいでしょ」

それにしても母も母だ。よりにもよって、指さした相手が田中辰哉だなんて。

でも――。

どうして彼が病院に?

母がその違和感を察する...

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